STUDY

田作る道は農に問え #04

服を加工へ

Annautのメランジデニム生地は大江被服株式会社で縫製され製品の形になりましたが、これで終わりではありません。デニムを使用した製品には洗い加工が必要不可欠です。世の中に出回っている殆どのジーンズには洗い加工が施されています。生地を削って白っぽくしたり、わざと穴を空けたりと、その他にも様々な加工が存在します。従来この加工には大量の水と薬剤が使用されていますがAnnautの今回の企画では使用する設備にもこだわり、水の使用を少しでも削減するように努めました。

ナノミスト加工

そのこだわった設備がスペインのJeanologia社のe-flowシステムです。今回Annautはこの設備でしか対応できないナノミスト加工を採用しました。ジーンズ加工を専業とする岡山県倉敷市の株式会社WHOVALが所有するこの設備では従来の30%程度の水の使用量で加工ができます。従来型の設備では50本のジーンズをONEWASHという水洗い加工する為には約1,200Lの水を使用しますが、ナノミスト加工では約360Lで同じ加工ができます。この加工の特長は少量の水を細かい霧状にして製品に吹き付ける点です。仕上がりの風合いも従来の洗い加工よりも柔らかく優しい風合いにすることが出来ます。Annaut の製品の柔らかさはこの加工によるものです。
更にこの設備の優れている点は、ストーン(専用の軽石)の使用をゼロにすることで廃棄物も削減することが出来る点です。ストーンと製品を一緒に入れて洗う加工をストーンウォッシュと呼びますが、このe-flowではストーンを使用せずに同じ風合いの加工を再現できます。従来のストーンウォッシュでは使用したストーンの半分程度が砕けてヘドロになってしまいます。ヘドロ状になったストーンは乾燥させて廃棄しなければならず、廃棄するためには3ヵ月もの時間が必要となります。

色にまでこだわる排水処理

通常のデニム製品の洗い加工では、インディゴ染料が水に溶けだしてしまうので、そのまま排水すると川が真っ青になってしまいます。ジーンズ加工業においては排水処理にも設備投資が必要であり、何工程も経てインディゴ染料を分解していきます。 WHOVAL社では行政ルールよりも厳しい基準を自ら設け、撤退した管理・対応を行うことで無色透明な排水をしています。

こうして漸くAnnautの製品が出来上がります。実に多くの工程があり、多くの人が関わっていると分かって頂けたかと思います。Annautだけではなく、世界中にある服がこうやって誰かが思いを込めて作っています。
「だからどうした」と言われるかもしれませんし、Annautの製品を絶対買ってくださいと言うつもりもないです。
ここまで読んでくれた方がこれから服を買う時に少しでもモノづくりの背景を考えて、自分の納得のいく買い物ができることがこのSTUDYコンテンツの存在意義だと思います。
人は突然自分の考えや物の買い方を変えることはできませんし、それは我々Annautのメンバーも同じです。衝動買いもしてしまいます。でもそれはそれでいいと思います。
無理せず、少しずつ、できることをそれぞれがやっていく。これくらいの姿勢でちょうどいいと思います。